ネットで名前を晒される!対処の仕方と法律上の扱い
2018.6.9
ネットでは匿名性がゆえに楽しめることも多いもの。でも、名前を晒される・誹謗中傷を書き込まれるといったトラブルも多発しています。
相手を訴えるとなったら法律のどんな部分に抵触していることになるのでしょうか。
感情的になってネット上で「売り言葉に買い言葉」というのはバカげています。とにかく落ち着いて、冷静に対処してください。
目次
ネットで名前が晒されることだけでは罪に問うのは難しい
防犯意識や個人を特定されることに注意して、インターネット上では実名を出さないとうい人は多いはずです。
しかし、なんらかのトラブルや嫌がらせなどでネット上に実名を晒される・公開されるという事例も少なくありません。
個人情報保護の観点から、すぐに相手を特定できないことも多い上、その程度では警察が動く可能性はほぼゼロです。
こんな場合は、刑事事件としての扱いは無理でも、民事として調査して内容によって刑事告訴することが考えられます。
ネット上で誹謗中傷されたとしても法律上「誹謗中傷」という犯罪はありません。
悪質な場合は、そこから名誉棄損や侮辱、業務妨害などの罪での処罰を求めることになるでしょう。
「ネット上に名前を晒された」というだけで罪に問うことは難しく、上記のような方法が一番現実できな対処方法だと思われます。
民事扱いでも、書き込みをした本人を特定するための情報開示請求や、書き込みの削除を要求することは対処してもらえる可能性が高くなります。
ネット上に名前を晒されるも罪に問えない可能性が。その理由は?
少年犯罪で実名が報道されない場合や、容疑を掛けられていても逮捕されていない人物などを名前を伏せて報道することがあります。
インターネットが普及した現在、歪んだ正義感や興味本位で個人が情報を流してしまうことは度々問題になっています。
その後の推移によっては、情報を発信・拡散した人間が名誉棄損などで訴えられることも珍しくありません。
この場合、処罰の対象になるかどうかには、いくつかの判断基準があります。
・公開、拡散した情報が公共の利害に関わる情報である
・公の利益を目的としたものである
・真実である、もしくは信ぴょう性が高いこと
などがあり、これらが満たされていなければ法的に罰せられる可能性があります。
関心の高い事件や事象では、拡散される範囲も膨大になります。そのすべての人たちが責任を追及されることは考えにくいのですが、いたずらに情報を拡散することが法に触れる可能性があることは理解しておく必要があります。
ネットで名前を晒されることへの損害賠償は費用対効果に疑問も
刑法では個人のプライバシーに関わることを無断で公開したとしても、必ずしも名誉棄損に当たるわけではありません。
内容が侮辱的であったり、根も葉もないウソで貶めるといった明確な事実がなければ、罪に問うのが難しいのが実状です。
ただし、名前やその他の個人情報が晒されたことによって、仕事上経済的な損失が生じたり物理的損害があった場合には訴訟の対象となる可能性はあります。
名前を公開されたことで気分を害したなどの精神的苦痛を受けたとして、慰謝料を請求することは考えられるますが、ハードルは高いかもしれません。
その場合は、請求が認められて得られる金額と、そのための準備費用にかかる経費や時間的な損失を考えると費用対効果は小さなものになることが多いのです。
裁判にかかる経費の請求も、一部認められる可能性はありますが、そこまで必要なのかはじっくり考える必要がありそうです。
ネットで名前を晒され誹謗中傷された!感情的な対応は絶対NG!
もし、ネット上に自分の実名や中傷する書き込みなどを見つけた場合には、感情的にならずに冷静に対処するのが一番大切なことです。
掲示板形式など、誰でも書き込みができる場所で自分に対する中傷記事を見つけ、感情的な反論などを掲載すれば、返って相手にネタを提供するようなものになりかねません。
どんな内容が法に触れるか、訴えることができるかといったことを知っていれば、冷静かつ効果的に対処することができるはずです。
このような事例では名誉毀損で訴える可能性が出てきますね。では、名誉毀損とは具体的にどんなことを言うのでしょうか。
名誉毀損
不特定・多数の人が認識可能な場面で、他人の社会的な評価(名誉)を損なったり、そのおそれがある事実について文章や口頭で暴露し、示すこと。
似たものに「侮辱罪」がありますが、これは根も葉もないウソや事実ではないことで誹謗中傷した場合に用いられます。
名誉毀損で罪に問われると、3年以下の懲役か禁固、又は50万円以下の罰金が課せられることになります。
ネットの掲示板やSNSでのトラブルは、まず管理者に連絡を
ネットで名前を晒したり、中傷・侮辱したりする発信を見つけたら、どんな対応をしたらいいのでしょうか。
一般的にインターネットでの書き込みではIPアドレスという発信者を示す番号が割り当てられます。
登録制のSNSなどを使用している場合には、SNSの運営者が各会員情報を把握しているものですが、トラブルが起こる多くは匿名で書き込める掲示板です。
発信者を特定するには、どんな方法があるか見て行きましょう。
1.サイト管理者や掲示板管理者に問い合わせる
2.警察を経由して確認する
3.裁判所を経由して確認する
警察や裁判所は、事件性や悪質性によって協力が難しい場合があります。
まずは、管理者へのメールで簡単に状況を説明して削除依頼や発信者情報の提供をお願いしまよう。
この場合も、感情的になって脅すような文体・口調は避けて冷静に対処しましょう。感情に流されると、不要なトラブルを増やしてしまうことになりかねません。