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糖尿病は治療が必須!手足に痺れや感覚異常がある時は病院へ

2018.6.11

糖尿病になると、手足の痺れや痛みなどの症状が出てきます。

それを放っておくと、もっと恐ろしい症状に発展することも!?

自覚症状をチェックして、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

予防や治療のための、1日の摂取カロリーの計算方法もご紹介いたします。

糖尿病が原因で足に痺れがでてくる

糖尿病になると、「糖尿病末梢神経障害」を両手・両足に引き起こしてしまうことがあります。
神経系には大きく3つに分かれて、「中枢神経系」「自律神経系」「末梢神経系」があります。糖尿病で神経障害を引き起こしてしまう場合は、末梢神経の障害から始まるのです。

糖尿病末梢神経障害は、身体の中で特に一番長い神経線維が通っている手足の先から症状が現れます。これは過剰なブドウ糖が、長い神経線維に悪影響を及ぼしてしまうリスクが高いためです。

足先や手先から始まるいつもと違う感覚が、靴下や手袋をはくように上がってくることから、「ストッキング・グラブ症候群」とも呼ばれています。

末梢神経には細い神経線維と太い神経線維があり、ダメージを受ける繊維によって症状が異なります。

細い神経線維がダメージを受けると、痺れや無感覚、触れた物の温度感覚が分からない、針を刺されたような痛み、足が腫れ上がるなどの症状が出ます。太い神経線維がダメージを受けると手足に異様な感覚を感じるようになり、身体のバランスが取れないことや軽く触れても判別できなかったり、足の構造が崩れてしまう「シャルコー関節炎」などになります。

次に自律神経のダメージを受けるようになると、異常な発汗や排泄障害、立ちくらみなどの症状が出てくるようになり、症状が進行するともっと生活に支障が出てしまいます。

糖尿病の三大合併症の一つ、神経障害になると手足が痺れる

「糖尿病神経障害」は三大合併症の一つであり、糖尿病との合併症としては一番多い症状です。先述しましたが、細い神経線維にダメージを受けることで、手足にさまざまな症状を引き起こします。

この合併症の症状は比較的早い段階で現れ、また症状が起きる頻度も高いものとなっています。手足の先端が痺れる自覚症状は「感覚が鈍くなってきた。」と感じさせます。
また、皮膚の感覚が鈍ったり、こむら返りが起こりやすくなるなどの自覚症状も出ますが、これらは「年齢や血行不良が原因だ」と思って見過ごしてしまうことが多いです。そのため、糖尿病の発見が遅くなってしまいます。

このような手足に生じる痺れや皮膚感覚の以上をそのまま放置しておくと、さらに感覚が低下させてしまう原因となります。痛覚が鈍くなってしまうことによって、けがや火傷、靴擦れなどに気付けず、傷口から感染症を起こして潰瘍となるケースがあります。放置しておくと、そこから壊疽(えそ)を起こしてしまう可能性も高くなります。

自覚症状は、特に夜間に症状が重く感じることが多いです。特に左右対称で感覚異常を感じた場合は、注意が必要でしょう。

糖尿病の初期症状や自覚症状は?足の痺れ以外にも知りたい!

糖尿病になると、血流が低下したり免疫力が低下してしまいます。その影響は心臓から一番遠い「足」に現れやすいと考えられています。手足にピリピリやジンジンする痛みや痺れが左右対称に現れる他に、次のような初期症状や自覚症状がみられます。

◎ 糖尿病の初期症状

‣ 足の爪が巻き爪になりやすくなった
‣ 爪肥厚や爪水虫などの爪に関する症状が出やすい
‣ 靴擦れなどになりすい
‣ かかとや足の指などの皮膚が乾燥し、ひび割れを起こしてしまう
‣ 足の甲や足の裏にタコができやすくなった

◎ 糖尿病神経障害の自覚症状

‣ 違和感があったり感覚が低下する
‣ 気温などに関係なく足が火照ったり冷えたりする
‣ ふくらはぎなどが疲れやすくなり、痛みがある
‣ よく足がつるようになる
‣ 一部の感覚が麻痺している
‣ 針に刺されているような痛みが断続的にあるが、気づいたら治まっている
‣ いつの間にかけがをしている    …など

糖尿病になってしまった時は食事制限がある?

日本では糖尿病の治療の一つとして「食事療法」を取り入れて、カロリー制限を行います。

炭水化物が血糖値を上昇させてしまうことから、欧米では炭水化物を調整する食事療法が主流となっています。しかし日本糖尿病学会の提言によると、「炭水化物を極端に制限した糖質制限は、確たる裏付けが取れていない」という点から推奨はしておらず、総エネルギー摂取量の制限を行う食事療法を勧めています。

では、成人で糖尿病になってしまった方の、1日の摂取カロリー量を計算してみましょう。

標準体重(BMI) = 身長(m)×身長(m)×22
一日の摂取カロリー = 標準体重(BMI) ×生活強度

生活強度は、次の3つの中から当てはまるものを選びます。

‣ サラリーマン・主婦などの軽労働者 :30
‣ 工事現場作業員や配達員などの重労働者 :40
‣ 身体を動かすことが少ない高齢者など :25

ここから割り出した1日の摂取カロリーを、3食で均等に摂ります。偏る事なく、栄養バランスを考えて食事をすることが大切です。

手足に痺れや痛みを感じた時は、早急に医療機関の受診を

糖尿病性ニューロパチー(末梢神経障害)になる原因には2つあり、3つの病型に分類します。

一つは糖尿病により代謝障害が起こり、手足の先から痺れやピリピリした痛みなどの感覚障害が現れ、左右対称に上がってくるものがあります。これを「多発性ニューロパチー」と呼びます。

もう一つは、糖尿病により細い血管に動脈硬化が現れて、神経に栄養を送る血管に血液が循環できなくなり、手足まで通っている神経がバラバラに侵されます。これを「虚血(きょけつ)性ニューロパチー」と呼びます。

この虚血性ニューロパチーには、更に2つの病型に分類することができます。「多発性単ニューロパチー」は、左右非対称かる1本ずつバラバラに侵されます。「単ニューロパチー」は、動眼神経や外転神経などの脳神経系、手にある正中神経などから1本だけが侵されます。

医師が治療方針を決める時は、まずは代謝性と虚血性のどちらが原因なのかを診断します。それによって治療方法が変わってくるのです。

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