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ひとごとじゃない!アメリカの貧困層に肥満が多い理由

2018.6.9

アメリカには肥満の人が多い、というイメージは以前からもあったかもしれません。しかし、肥満の原因が貧困にあるというのはご存知でしょうか?

肥満は裕福な人々が飽食に明け暮れているからなるのだ、という考えは今の時代には当てはまらないです。

アメリカに見る貧困と肥満の関係について情報を集めてみました。

アメリカにおける貧困率と肥満率の関係とは

「貧困=痩せている」というイメージを持ちやすいものですが、実際に調査してみると貧困率が高いほど肥満が多いのです。

また、統計は高い教育を受けている人ほど肥満率が低いということも示しています。

子供の場合、肥満になる原因は遺伝と親の影響が非常に強いものです。たとえ遺伝的に肥満になる確率が高くても、カロリーコントロールとバランスを考えた食事で自己管理ができるようになれば、肥満になることは防げます。

先進国の中では、アメリカはメキシコと肥満率のトップ争いをしている状態。

アメリカは世界有数の大国ですが、やはり国内では貧富の差や貧困問題を抱える地域も多くあることが一因かもしれません。

アメリカのなかでも高級住宅が立ち並ぶボストンの郊外では、太っている人を見かけないという話があります。

ボストンマラソンでも有名な地域ですから、健康の意識も高い可能性がありますが、やはり生活水準や教育レベルと肥満率に関係があることを示しているのではないでしょうか。

アメリカの貧困層はファーストフードで肥満に陥る

アメリカでは、富裕層の子供たちは私立の学校へ通うのが一般的。公立の学校に通う子供の多くは貧困家庭の子供たちだと言われています。

では、なぜ貧困だと肥満が増えるのでしょうか。

食文化の関係もありますが、貧困層の親たちは料理を満足にできないところも多く、栄養バランスを考える余裕もありません。

価格も安く、手軽に食べられるファーストフードに頼りがちになります。

野菜を摂らずハンバーガーやピザ、フライドチキンなどのファーストフードだけでは、カロリー過多になってしまうのです。

この傾向は日本にも及んでいます。厚生労働省が公表している「国民健康・栄養調査」で所得によって野菜や肉の摂取割合に違いがあることが示されています。

高収入層(600万円以上)は、中収入層(200~600万円)、低収入層(200万円未満)に比べて野菜や果物の摂取量が高くなります。

収入が少なくなるほど、脂質や糖質中心の食生活に陥り、肥満になる傾向があることがわかります。

アメリカ人は貧困者ほど痩せずに肥満になる矛盾

日本人にとって、かつてアメリカは豊かさの象徴のような存在でした。しかし、今のアメリカでも貧困問題は深刻で、冷蔵庫にはケチャップなどわずかな調味料しか入っていないことも少なくないと言います。

食事はほとんどが安価なインスタント食品か、NPOなどを通じて無償で提供される加工食品。新鮮な野菜などはめったに食べられません。

食料の配給を受けに来る人々は、その多くが肥満もしくは太り気味。食べるのに困っているはずなのに、なぜ?と思ってしまいますが、飢えと肥満は表裏一体の問題なのです。

空腹を満たすために安く手に入るものは、栄養が少なく脂質などのカロリーが高いものばかり。その結果、貧しい人が太っているという一見矛盾した状態を生み出します。

飢餓で瘦せこけるのではなく、より太ってしまうのがアメリカの飢餓の実態です。

貧困でなくとも手軽な食事には肥満になるおそれがある

世界的にヘルシーだとして人気が高まる日本食。しかし、日本人の食事事情は逆にファーストフードに浸食されています。

ある生活保護受給者の食事を聞いたところ、3食コンビニ弁当とインスタントの味噌汁。野菜不足は明らかです。

成人なら男性は1日1800キロカロリー、女性で1500キロカロリー程度の摂取で充分とされています。

肉体労働者の場合は、3000キロカロリー以上必要になることもありますが、デスクワークが多く、体を動かすことも少ない現代人はカロリー消費もすくないはずです。

コンビニやファーストフードの食事では、カロリーが高くなりがち。3食ともそれで済ませ、間食をすればあっというまに余剰カロリーを摂取することになります。

3食きちんと食べることが大切とは言われますが、その中身がビタミンやミネラルが少ないカロリーばかりの弁当では、体に必要な栄養が全く足りていないのです。

アメリカ人は3人に1人が肥満?富裕層には肥満が少ない理由は?

富裕層に肥満が少ないのはどうしてでしょう。

・3食とも新鮮な野菜や果物を含めてバランス良い食事が摂れる
・生活に余裕があるので、睡眠や運動の時間にも余裕を持つことができる
・高級レストランなどの食事では、全体に栄養のバランスが保たれていることが多い
・余裕を持った暮らしぶりは、それ自体が健康的なダイエットになり得る

ということのようです。

一方、貧困層の暮らしはというと……。

・食事は不規則で、炭水化物などの糖質や、油を多用した脂質を多く含んだメニューに偏りがち
・仕事などで時間的にも余裕が持てず、インスタント食品に頼る
・日常的なストレス発散で、暴飲暴食に走ることがある

若いうちは、多少の無理はなんとかなるものですが、年齢が上がると代謝も悪くなり脂肪が蓄積しやすくなります。

肥満以外にも、生活習慣病になるリスクが高くなってしまうのです。

アメリカは実に3割以上の人々が肥満という統計があり、これは日本の十倍以上の割合です。大国アメリカは、肥満大国ともいえるのです。

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