階段を降りることが苦手に感じたら試してみたい対処方法
2018.5.27
階段を降りるのが苦手だと感じることはありますか?年配者や体力が低下している人はもちろん、心理的な原因から階段に苦手意識を持つ人がいます。
身体的な問題である場合は、日ごろのちょっとした訓練で階段を降りることが苦ではなくなります。
心理的なことが原因でも、ちょっとしたきっかけで克服できるかもしれません。階段が苦手だと感じている人に知ってもらいたいお話です。
目次
階段を降りるのが苦手と感じるなら脳のバランス機能を鍛えよう
何気なく行っている「階段を降りる」という動作、実は多くの情報処理が必要な動きです。
片足ずつ体重移動を繰り返し、しかも体のバランスを保たなければなりません。
靴下を履くときに片足でふらつく経験は、誰にでもありますよね。
体のバランスを取ることができるのは、脳が周囲の状況や自分の体の重心を認知して判断を下すからです。
階段を降りるのが苦手という人は、脳の認知スピードや判断の精度を上げる訓練をしてみましょう。
訓練と言っても難しいことではありません。
平らな床の上で左右それぞれ1分ずつ、片足で立ってみましょう。目は開けたままで結構です。
それだけのことでも、うまくバランスを保てないことに驚くかもしれません。
毎朝、左右2セット程度行うだけでも脳が鍛えられていきます。
足の裏でしっかりと地面を捉える感覚も磨かれるので、日常の歩行動作にもプラスの効果が期待できます。
無理しない程度に、でも少しずつ初めてみませんか?
階段を降りることが苦手になった理由が恐ろしい病気だった?
階段を降りるときに、膝の力が抜けるような感じがして怖いといった場合には、運動神経疾患の可能性もあります。
脳から脊髄、脊髄から足の筋肉へと走る運動神経に、なんらかの病気が関係することがあるのです。
有名なのは筋収縮性側索硬化症という病気です。
この病気になると、かかとの小指側から指の方向になぞっていくと、足の親指が足の甲側に反り返るという反応が見られます。
脳にある手足の情報を伝える神経経路に疾患が起こり、足の裏を刺激しただけで親指が反り返るという不思議な反応をしてしまうというのです。
もし、筋収縮性側索硬化症であった場合は筋肉が萎縮して筋力の低下を招きます。
数年で呼吸に必要な筋肉まで麻痺させてしまい、命を落とすことにもなりかねません。
この病気は、根治は難しいものの対処療法は存在するので早めに発見し対処することが必要です。
階段を降りることが困難に感じるようになったら、ほかの健康診断などと合わせ医師に相談してみてはいかがでしょうか。
脳梗塞患者の多くは階段を降りることが苦手になる可能性も
階段の階段を上る、降りるという動きを比較すると、上る方が力も必要で大変なイメージがあります。
しかし、実は階段を降りる動きは上る動作よりも微妙な筋力のコントロールが必要で難しいのです。
階段を上る場合は、足全体の筋肉を使い全力で体を押しあげます。逆に、階段を降りるときは、ちょうどよい加減で力を抜かなくてはいけません。
この微妙な調整が脳から神経へ、うまく伝わらなくなる場合があるのです。
脳梗塞患者にもこの症状がよく見られるといいます。
後遺症で半身に麻痺がある場合、この適度に力を抜くことが更に難しくなります。麻痺が軽い場合は、足に集中すれば一時的に対処できる場合もありますが、長時間は難しく心身に負担もかかります。
人混みや通勤ラッシュのように素早い動きが求められる場では、流れについていけないなど日常生活にも影響が出てしまいます。
階段を降りる事が苦手!実は強い思い込みが原因かもしれない
閉所恐怖症や対人恐怖症など「○○恐怖症」という言葉は、日常でもたびたび耳にします。
何らかのトラウマや精神的な疾患によって引き起こされたものがある一方、単なる「思い込み」の場合も少なくないようです。
アパートの外階段や吊り橋のように、足元が見えている高所を怖いと感じる場合がありますよね。
ここから「階段が怖い」というイメージが残ってしまった場合など、想像力がある人ほど「落ちたらどうしよう」といった不安を思い描いてしまうのです。
たまたま乗った飛行機が落ちるのではないか。
橋を渡っているときに、突然橋が崩れ落ちたら。
階段を降りているときに足を踏み外しそうになった経験や、周りで階段で転んだ人の姿を自分に重ねてしまったのかもしれません。
恐怖症といわれる症状の場合は、どんなに考えすぎだと言われても心の内から沸き起こる感情に抗えないものです。
しかし、自分の「思い癖」や「思い込み」程度ならちょっとしたきっかけで苦手意識を克服することができるかもしれません。
階段への苦手意識・恐怖を克服するきっかけをつくる
「○○恐怖症」になる場合、多くは強烈な経験があったことで引き起こされます。
ある階段恐怖症の男性は、中学生時代に階段から激しい落ち方を経験したことがきっかけだったようです。
その後、十数年間は階段を降りるときには両手で手すりを握り、1段ずつゆっくりでなければ降りられませんでした。
日常生活では何とかしのいでいるものの、災害時などはどうなるだろうと心配した知人の勧めで心理療法を受けてみることにしました。
この男性が受けた心理療法では、恐怖症になったことの原因を追究するよりも恐怖症の克服を優先して行われました。
「階段を降りるとき、体のどこに不安や恐怖を感じるのか」というカウンセラーの問いに、男性は階段を降りている自分を想像してから「膝」と答えました。
「では、どうしたら、どのようにできたらその不安を取り除くことができると思いますか?」との問いには「膝に羽があれば…」とイメージしました。
バカバカしいと思われるかもしれませんが「膝に羽がついていることをイメージする」というだけで、この男性は階段の恐怖を克服するきっかけをつかんだのです。
15分ほどのカウンセリングでしたが、人によっては本当に些細なことで苦手な物を無くすることができる可能性を示しています。
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